台風になぜかっこいいカタカナの名前がついているの?

同時に、秋になると日本列島への台風襲来の報道も心なしか増えて来ます。

報道では「台風○○号」という番号名称と同時に別個カタカナ名、

例えば2021年10月25日発生した台風20号には「マーロウ」といった別名が与えられているのを目にします。

令和3年の台風発生状況

台風番号     発生日     アジア名 備考
令和3年台風1号 2021年2月18日 ドゥージェン
令和3年台風2号 2021年4月14日 スリゲ
令和3年台風3号 2021年5月31日 チョーイワン
令和3年台風4号 2021年6月12日 コグマ
令和3年台風5号 2021年6月23日 チャンパー
令和3年台風6号 2021年7月18日 インファ
令和3年台風7号 2021年7月19日 チャンパカ 「チャンパカ」発生で「チャンカパーナ」がトレンド入り
令和3年台風8号 2021年7月23日 ニパルタック 25日気象庁 台風8号について第3報を発表
令和3年台風9号 2021年8月4日 ルピート
令和3年台風10号 2021年8月5日 ミリネ
令和3年台風11号 2021年8月5日 ニーダ ※勢力を維持したまま温帯低気圧に
令和3年台風12号 2021年8月20日 オーマイス 気象庁が発生見込み取り消し後、発生
令和3年台風13号 2021年9月6日発生 コンソン
令和3年台風14号 2021年9月7日発生 チャンスー
令和3年台風15号 2021年9月23日発生 ディアンムー
令和3年台風16号 2021年9月23日発生 ミンドゥル
令和3年台風17号 2021年10月8日発生 ライオンロック
令和3年台風18号 2021年10月8日発生 コンパス
令和3年台風19号 2021年10月10日発生 ナムセーウン
令和3年台風20号 2021年10月25日発生 マーロウ

台風は何故かっこいいカタカナ名がついている?

このカタカナ名は一体どういう意味があるのでしょうか?

日本のみならず、日本近隣諸国は台風による甚大な被害の低減や対策の為、

防災に関する政府間組織「台風委員会」を1968年に設立しています。

主に北西太平洋・南シナ海で発生する低気圧を「台風」と呼ぶため、

アジア諸国やアメリカ等の14か国が加盟しております。

このカタカナ名は「国際名」と呼ばれており、第二次大戦後から1999年まではアメリカ軍による英語名が使用され、当初は女性名が付けられていました。

その由来は終戦頃の台風観測にあり、当時は軍が飛行機で台風に入り、中心に機械をを投げ入れて観測していたのですが、飛行機の乗組員が遊び心で自分の妻や恋人と同じ名前を付け、親しみを込めて呼んでいたことにあるようです。

いかにもアメリカ人らしいエピソードですね。日本ではサザンオールスターズの桑田佳祐さんが初監督を務めた映画「稲村ジェーン」の元をたどると、1950年に日本に襲来し甚大な被害をもたらした「ジェーン台風」にあることが裏付けています。

そののち女性名だけでは男女同権に反し性差別につながる恐れありとして1979年以降は男性名・女性名が交互につけられることとなり、2000年からは台風委員会が制定した「アジア名」が用いられることとなり現在に至っています。

これは台風委員会の加盟国はアジア圏が大半を占めること、慣れ親しんだ名前により人々が関心を持つことでの各国での防災意識の向上、また各国固有の言葉を使用することでお互いの文化の尊重と理解を深める、という意図をもって導入が決定されたそうです。

台風の名前の付けられ方

名前については発生してから考えられるのではなく、台風委員会の加盟国14か国がそれぞれが10個ずつ持ち寄った合計140個の名前を1~140番にリスト化し、発生のたびに順次使用されております。

その順番は カンボジア⇒中国⇒北朝鮮⇒香港⇒日本⇒ラオス⇒マカオ⇒マレーシア⇒ミクロネシア⇒フィリピン⇒韓国⇒タイ⇒アメリカ⇒ベトナム と決められており、概ね年間26ヶ程度の台風が発生することから約5年サイクルで一巡しています。

なお、日本が提案している名前も10ヶあり、「ヤギ」や「ウサギ」「コグマ」など、星座から由来しているそうです。特定の個人や地名などを表す言葉ではない中立性、自然の事象であり利害関係が生じにくいこと、台風も星座も天空にある共通性、多くの日本国民に親しまれているものであることが採用理由であるようです。

1国10名称がひとまとめではなく、1回の台風につき1か国分が使用されていくため、

日本の提案した名称も目にする機会も少なくはないと見られます。

他の国では、神話・伝説・小説などに登場する神様や人物名等が採用されているようで、

中立性、利害関係が生じないといった点では日本と同様といえるでしょう。

中国からは、かの西遊記の主人公の孫悟空を表す「ウーコン」、フィリピンからは冷酷・残酷なことを表す「ルピート」アメリカからは何故かグアム等の言語「チャモロ語」やパラオ語が提案採用されています。

常に140ヶの名前が用意されているものの、固定というわけではありません。

上陸し大規模な災害をもたらした台風は、委員会加盟国や地域の要請を受け名称から削除されることがあります。その都度削除された国から新しい提案を受けるため総数が変わることはありません。

何となく目にする、耳にする台風の別称、その背景は各国の相互理解を深めるといった

平和的な意図があるんですね。これを機に、様々な名称から他国の文化を学ぶことも

面白いかもしれないですね。

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